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    癌とのお付き合い



2.入院に当たって

    2-1.心理状態

    2-2.必要なもの

    2-3.経費

    2-4.高額医療費還付&確定申告

    2-5.疾病保険、ガン保険について

    2-6.個室と大部屋



 2-1.心理状態

癌だと分かった時、意外なほどショックはなかった。
この癌がどういうものかよく分からないのに何を心配すればいいんだ、先ず自分の状態を
正確に把握しようと言う気になった。
本を読んでみて、死ぬ確率は宝くじよりは高いが、今の段階では完全に良くなる可能性が
高いことが分かったこともあり、じたばたせずにすんだ。
自覚症状もなく、食欲旺盛、酒もいつものように旨い。



2-2.入院に必要なもの

パンフレットには書いてないが、何か時間をつぶせるものが絶対必要だ。

特に私のように何も自覚症状がなく手術までは検査以外何もないという患者にとって、ベ
ッドに縛り付けられ、午後9時消灯、朝6時起床という生活はこれだけで病気にさせられて
しまいそうだ。
この点私はパソコンがあり、デジカメも持っていったのでかなり時間をつぶすことができ
た。看護婦の名前を覚えるのに都合が良かったし、彼女達とのコミュニケーションにも効
果大であった。
英単語も覚えようとしたが、こちらはあまり効果はなかった。
CDで音楽をゆっくり聴くことができたのも良かったが、イヤホンではやはり長時間は嫌
になってしまう。
寝間着は、ガウンより、上下が別々のパジャマの方が良い。点滴を付けたまま便所に行く
とガウンの裾をめくるのは意外に大変だった。



2-3.経費

まず入院するための備品が必要になる。
見栄張造一家ならパジャマや下着も新しいものを買うことになる。
TVもCDもと言えばどんどんUPするのは仕方がないところ。
小生の場合、23日間の入院で約20万円ほどかかった。(病院への支払いは17万円程度)やは
り保険に入ってないと苦しいことになる。
但し考え様によっては、この期間中飲み屋に行くでもなし、どこかに遊びに行くでもなし、
食費もかからないとなれば実際にかかる金額はもっと少ないと考えてもいいのかもしれま
せん。
個室に入ると入院前に10万〜20万円の保証金を取られる。また個室に入らなくても連帯保
証人が必要となっており、入院する側にとっては改善してもらいたい点だ。


2-4.高額療養費還付と確定申告
・高額療養費の還付

同一月の内に、同一の医療機関で、同一の診療を受けた場合の医療費が、月額63,000円を
超えるとそれを超えた分の額が健康保険から還付される。
従ってできることなら月首に入院して月末に退院するのがもっとも効率的であるがそうは
問屋が許さないのが普通だろう。
(領収書はこまめに取っておくこと)→手続きは会社員の場合なら総務がやってくれる。
・確定申告(医療費控除は年末調整ではできない)
医療費が年間10万円を超える場合、確定申告すると税金が安くなるので、家族が見舞いに
行った時の交通費も含め、出費を正確に記録しておくことをすすめる。
医療費控除確定申告のやり方→手続きは個人でやる。

(申告できる費用の範囲)

高額療養費の還付のときの条件のように同一月の内に、同一の医療機関で、同一の診療を
受けた場合という制限はないので、その年の家族全員の医療費(病院・薬局)の領収書を
取っておくと良い。


2-5.疾病保険、ガン保険について

疾病保険は入院が21日以上ないと降りないものがあるので注意が
必要。もっとも、「保険が出ないので後1日入院させて」と言えるかどうかは度胸次第か?
郵便局の簡易保険は要件さえ満たせば申請するとその日のうちに保険金が手に入る。
→これは嬉しいものである。
最近のガン保険は内視鏡で除去できるような軽度のものには保険金を支払わない
ケースが殆どなのだそうだ。(主治医の先生の話による)
癌といわれ保険も出ないのではまさに遺憾、てんてんがないだけの話ではない。
今お掛けになっている癌保険の約款を調べておいた方がいいと思いますよ。



2-6.個室と大部屋

この病院の個室代金は最高が6万円です。1日の個室代としての費用です。場所は最上階の
10階にあります。
暇つぶしに10階まで上ってみましたが一つの病棟を除いてあとは特別病棟となっていま
す。雰囲気は高級ホテル並み、私が入院したところの雑居房とは比較する方がいけないの
かもしれませんが馬鹿馬鹿しさが先に立ってしまいました。
しかしかく言う私も、入院予定日になっても一日延ばしに延ばされて、仕方なく1日18,0
00円の個室に1日だけ入りました。
この個室は単に個室というだけの部屋で、風呂もトイレもありません。
電話と冷蔵庫があるというのが差別化のすべてです。
あとは全て雑居房と同じですから手術の直後とか臨終間際ならともかく、リーズナブルと
はとてもいえる代物ではありません。
貴方がいびきや寝言や歯ぎしりがひどいのなら入った方がいいのかもしれませんが・・
人間嫌いでなければ大部屋もなかなかのものです。
私の入った病棟は皮膚科、放射線科、耳鼻咽喉科、形成外科の混合病棟で、内科の患者で
ある私はその中でもよそ者でしたが、小学生から70歳代の人までの幅広い年齢層と、多種
多様の病気の人5人と一つの部屋にいるという経験はここでしか体験できないものだと思
いました。

私が入った部屋は比較的軽い症状の人が多かったのですが、向かいのベッドにいたK氏は
私が退院したその日の早朝に皮膚癌でなくなりました。
K氏は70歳代で奥さん、娘さん、お孫さんが毎日のように見舞いに来ていました。
K氏から病気のこと家族のことなどをお聞きしましたがこんなに早く亡くなるとは誰も想
像できなかっただけに何か因縁めいたものを感じました。
このK氏以外にご一緒だったのは元農協の理事、商店主、職人さん、自衛隊員、一流企業
の会社員、小・中学生、大学生でした。退院するまでに延べ7人の人が退院と転室で入れ
替わりました。
人の入れ替わりで部屋のムードはやはり相当変わります。何もしゃべらずカーテンを引い
て孤立する人がいると部屋全体が重苦しくなってしまいます。幸い私は退院直前だけしか
経験しませんでしたが、病気による苦痛の程度も様々なので仕方がないことかもしれませ
ん。
こういう点といびき・歯ぎしり・寝言が大部屋の欠点でしょうか。

    

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